病院で退院する患者さんのご家族向けに食事に関する教室開催を目指しておられる宮城県の病院にお勤めの管理栄養士さんが、ゆにしあの【食事介助と調理のトレーニング教室】の見学・研修を受けるために、山形までお越しくださいました。
今回は、参加者さんと一緒に教室にご参加いただき、介護をするご家族さんと同じ目線で体験したり、お話をしていただきました。
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また、ゆにしあの食相談カフェにて、自宅介護のご家族の現状やサポート時の注意点などについての情報提供や病院との退院時の連携などについての意見交換などを行いました。

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教室の内容については、机に向かって行う教室ではなく、どこか「お茶飲み会」のような雰囲気の教室なので参加者の方が自由に意見できる、話し合うことができる場所だと感じました。また、難しい知識の詰め込みではなく、「どうしたら安心、安全に食べさせられるか」を一般の人の目線から発信し、それを体験を通して学べるので、参加する側も実感がわきやすく、「家に戻ったらやってみよう、誰かに話してみよう!」と思える内容になっていたと思いました。
参加者が主体となって作り上げている教室なので、皆さん真剣に取り組んでいるのがとても印象的でした。(病院の栄養指導はどうしても患者側が受け身になりがちなので・・・) また、介護者を抱える家族同士が集まって話し合える場所というのはなかなかないと思うので、こういった場所で悩みを打ち明けたり、話し合う場所の提供にもなっていると思いました。
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教室の参加者の方の表情や会話に触れ、私は今までの自分を反省しました。 病院を退院されるときに、こんな風に悩みや不安を話してくださる方はいなかったのです。 それは私が介護者の方がどんなに不安でどんなことがわからないのかを把握できていなかったのだと思います。 退院前の栄養指導は患者側に対して「栄養士が持っている知識の詰め込み」をしているだけだったのだと改めて思いました。
栄養をきちんと取ることも大事だけれど、家族は家でも病院にいるときのように口から安全に食べられることをまずは望んでいるのではないか、ということを感じました。 そこで、いままで私が話していたことと、患者さま家族が知りたかったことのギャップの大きさを改めて知りました。
病院に所属する栄養士は病院へ通う方やその家族からの質問を受け、答えることができます。 しかし、本当に困っているのはそういった方だけではなかったのです。 ちょっとずつ飲み込みが悪くなっていく、食べる量が減っていく、こういったことで病院を受診される方は まずいません。 つまり、この時点ではだれにも相談することができないのです。 けれども、本当はこの時点で食べやすい食事に出会えることができれば重症にならずに済むことも多いと思います。
特に、私の勤務する病院は地域の方に支えられている病院なので、病院の栄養士といえども病院に通う方や入院されている方だけでなく、地域で困っている方を支えていくことも大事なのではないかと思います。 なかなか難しいとは思いますが、病院所属の栄養士、という枠を少しはみ出して、「ちょっと困ったときに気軽に相談できる病院の栄養士さん」という存在になっていければ、と強く思いました。
ゆにしあさんのように地域に貢 献できるようになるのはまだまだ先になります。 けれど、今のこの気持ちを大切に、今できる小さなことから少しずつはじめていきたいと思います。
今回の研修で、今までの自分を振り返り、これからの活動の目標を見つけることができました。 池田さまと秋葉さまの地域の方へ対する食支援の強い思いにもふれることができ、貴重な2日間だったとも思います。
最後になりましたが、突然の研修の申し込みにもかかわらず、快く受け入れてくださり、内容の濃い研修期間をくださったことに 改めて感謝いたします。 ぜひこれからも、いろいろと情報交換などしていければと思います。
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嬉しいお言葉ありがとうございます。
活動している地域や立場は違いますが、これからも情報交換をしながら一緒に介護をするご家族のサポートをしていけたらと思います。